2016年07月02日

多発性嚢胞腎とは、腎臓に嚢胞(体液の貯まった袋)が多数存在し、左右の腎臓が大きくなる遺伝性の疾患です。

徐々に進行して,嚢胞の数が増えたり、大きさが増大したりする結果、腎機能が低下します。さらに腎臓以外では脳動脈瘤や心臓弁膜症、大腸憩室などを合併することが知られています。

多発性嚢胞腎は約半数の方が、70歳までに末期腎不全に至り透析療法が必要になることが知られており、透析療法に入った後も、嚢胞が増大することもあり、動脈塞栓術を行うこともあります。平成27年1月1日から厚生労働省の特定疾患に指定され、医療助成制度が開始されました。

また多発性嚢胞腎の嚢胞の拡大を抑制する薬は、今まで画期的なものはありませんでしたが、世界15か国で行われた多発性嚢胞腎に対するトルバプタンの内服試験で嚢胞の拡大抑制、腎機能低下の抑制の結果が出たことから、2014年3月にトルバプタン(商品名サムスカ)による治療が日本で保険適応となりました。その後も同薬による嚢胞の拡大の抑制などの報告がなされております。

当院では登録医(腎臓専門医)が診察にあたり、医療助成制度の登録、嚢胞腎の合併症評価、入院でのトルバプタンによる治療も可能となりました。多発性嚢胞腎と診断された患者様、健康診断などで嚢胞腎を指摘された患者様は一度腎臓内科までご相談ください。